かわいいお婆さんを見た
午後の暑いさなか、バス停でバスを待っていた。
こんな時に限ってバスは遅れるものだ。
もう少しで熱中症で倒れそうになった時、ようやくバスがやってきた。
バスに乗り込み座席に座ると、エアコンの効いている快適な車内に安心したせいか、途端に眠り込んでしまった。
しばらくして、あるバス停でバスが止まった時ふと目が覚めた。
そのバス停からは年齢にして80代くらいのお婆さんが杖をつきながらバスに乗り込んできた。
私はそのお婆さんにみとれてしまった。
よろよろした動作のよぼよぼのお婆さんなのだが、なんだかとてもかわいらしいのだ。
いったい何が違うのだろう。
このお婆さん何だかとてもいい感じがする。
カジュアルなTシャツに小さな手提げを持っているそのいでたちも何となくセンスがいい。
そのお婆さんの全身からかわいらしいオーラのようなものが漂っていた。
こんなお婆さんがいるんだな。
と感心してしまった。
お婆さんも暑い中バス停で長いこと待っていたのだろう。
体調は大丈夫なのだろうか。
そんなことを思いながらバスに揺られていた暑い夏の午後だった。